本日はtwitterで線維筋痛症にて気になる文面を拝見させてもらったので、こちらの病気に対しての鍼の介入がどのようなものかを少し調べました。

まず線維筋痛症について・・・。 (リウマチ情報センターより抜粋)

「線維筋痛症」とは、3ヶ月以上の長期にわたって、身体のあちこちの広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴います。
病気の原因はまだよくわかっていないとのことです。
検査を行っても、特別な異常がみられない場合が多く、現在のところ線維筋痛症を完治させる治療法がなかなかないため、日常生活への影響が大きく、しばしば社会生活が著しく困難となることが大きな問題となることが多いです。

わが国では、2003年の厚生労働省研究班の調査(住民調査)で日本の人口の約1.7%(有病率)の方々が線維筋痛症であるとされています。約200万人の線維筋痛症患者さんがおられることになります。決してまれな病気でないことの認識が重要です。

わが国の線維筋痛症は男女比が1:4.8と女性に多い病気です(欧米では男女比は1:7~8とさらに女性の頻度が高いとされています)。
発病年齢は40歳後半の年代に多いとされています。

1990年にアメリカリウマチ学会が作成したFMSの診断基準
➀広範囲に及ぶ疼痛が3ヶ月以上持続
➁全身18箇所に存在する圧痛点のうち4kg以下の圧力で11箇所に疼痛が存在する。(以下画像)
➂X線や血液検査などの所見に異常が見当たらないもの

 

論文などで拝見する内容を見ると

基本的な治療法等はなく投薬等の対症療法になるようです。

色々と症状から見ると東洋医学的な弁証の印象ですと肝鬱気滞,気滞血瘀などの肝うつ傾向のあるような病態が散見されます。

少し調べさせてもらいましたが、線維筋痛症の治療における鍼治療と偽鍼治療の効果についてランダム化比較臨床試験の論文がありました。

目的: この原稿の目的は、線維筋痛症(FMS)治療における実際の鍼治療と偽鍼治療の有効性を判断し、比較する。

方法: FMSの50人の女性を2つのグループにランダム化して、真の鍼治療または偽の鍼治療を受けました。被験者は、VAS(夜間、安静時、活動中)、SF-36、線維筋痛症影響アンケート(FIQ)、ベックうつ病スケール(BDI)、ベースライン時の倦怠感重症度スケール(FSS)で評価されました。最初のセッション。両方のグループの患者は、最初の週に3セッション、2週間に2セッション/週、次の5週間に1セッション/週(合計12セッション)を受けました。

結果: 平均年齢47,28±7,86歳の25人の被験者が真の鍼治療グループに登録され、平均年齢43,60±8,18歳の25人の被験者が偽の鍼治療グループに登録されました。両方のグループは、最初のセッションの1か月後にすべてのパラメーターで有意に改善し、この改善は最初のセッションの2か月後に持続しました(p <0.05)。

実際の鍼治療グループは、最初のセッションの1か月後または2か月後のすべてのVASスコア、BDIおよびFIQスコアに関して、偽の鍼治療スコアよりも優れたスコアを示しました(すべてp <0.05)。

結論: 鍼治療はFMSの痛みと症状を大幅に改善しました。偽の効果は重要でしたが、実際の鍼治療はFMの治療に効果的であるようです。

 

この論文では経穴はどの部分を刺激したのかが不明なのと、トリガーポイント的に探ってみていたのか(おそらく圧痛点や手術の影響を含めた後遺症的な観点からすると後者の可能性が高い)が不明ですが、鍼灸の効果もある程度は見込めるようですね。

注意してほしいのは、まだ原因がはっきりしていない疾患の為、基本的には投薬や症状を診ながら介入することがベターであると思います。そのためもし当施設で対応することがあれば、気血水の弁証と心理面の反応を含めた対応させていただきます!

現在は予約が埋まっておりますので、空き次第にはなりますが、線維筋痛症などでも気になることがございましたらご連絡をお待ちしております!