以前厚生労働省の調査では85%は原因がわからない非特異的腰痛とのブログでもアップ致しました。

一方で腰痛診療ガイドラインによると本当にわからない非特異的腰痛の22%を除いて、画像診断と整形外科的テスト、問診を複合することで、ある程度判別できるようになっており、椎間関節性由来の腰痛は22%と一番腰痛の中での原因がはっきりしている中で割合の高い腰痛になります。(他、筋筋膜性18%、椎間関節性13%、狭窄症11%、椎間板ヘルニア7%、仙腸関節6%)

この場所に対して「直接」アプローチできるのが「手術」と「鍼」になります。(手術はもちろんDRしかできないので私はできません。)椎間関節は鍼でのアプローチは可能なので、評価の際に必要であれば鍼治療を行います。ただし、非常に鍼でのアプローチが難しい場所ではあります。

その椎間関節性由来の整形外科テスト(ケンプテスト)で陽性反応が出た場合や、各腰椎間を固定し、背中を反った際に痛みが誘発されるなどした際に椎間関節性由来の腰痛と一考します。

椎間関節自体の周囲には関節包・多裂筋(下記画像⑥の部分)の起始部があり、その関節包の内側に滑液があるのですが、長時間の同一姿勢や運動不足などの腰椎の運動性が低下するようなエピソードがあると関節包の運動性が低下し、滑液の循環不全から関節包が炎症し、加えて神経根の炎症が発生したりと炎症による疼痛が出現すると言われています。(参考画像:骨格筋の形と触察法より)

また脳梗塞や脳出血での腰が曲がった姿勢でもこの関節包の運動性が損なわれることが多いため、この椎間関節性腰痛や変形性の腰痛が発生しやすくなります。

話は戻りますが、その椎間関節の運動性を改善するために椎間関節に鍼を行うことがありますが、非常にピンポイントに鍼を侵入することが困難な場所です。

場所に関しては腰椎棘突起の1.5-2.0指外側からその下1指下の部分にあると言われていますが、範囲が狭く一発で関節包に入ることはまれな部位です。

ですが鍼が椎間関節の関節包にあたった際にはわかりやすい反応(グミみたいな鍼の差し込む反応)があり、うまく刺激すると疼痛の緩和や腰を反るのも非常にやりやすくなりその後、腰の可動域が上がりやすいなど判別がわかりやすい部位にもなります。

医学的には鍼の有効性は科学的に根拠が乏しいと審議されていることは多いですが、ちゃんとした評価尺度や解剖学的論拠があれば鍼は医療として非常に有用なものであると思います。さらにそこに的確な運動療法(リハビリ)を行うことで改善できる可能性は十分にあると思われます。

その後のケアなのですが、鍼を椎間関節にアプローチした後でも純粋に運動習慣や生活習慣を意識して生活しなければ基本再発しやすい為、介入後にて当施設ではその後のケアなどもご指導させていただいております!

またご相談なども随時受け付けておりますので、ご連絡お待ちしております!