睡眠のツボについて、私は睡眠の状況によりツボの内容を使い分けております。

良く使う経穴としては、一つは以前お話しした「太渓」もう一つが「失眠」加えて「三陰交」です。他にも症状に応じて使い分けはしますがこの3穴が多いと思います。(画像:経絡経穴概論より)

 

精神的に不安定な場面もある方が多いので「内関」などにも施術をすることがあります。

話は変わりますが、睡眠不足は主に腎精を消耗してしまいます。この腎精は上限が決まっているため生まれた時と生活習慣でどんどん消耗してしまいます。睡眠不足以外にストレス、バランスの悪い生活を続けているとさらに状況は悪くなることが考えられます。精については以下の二つがあります。

「先天(せんてん)の精」 両親から受け継いだ生命エネルギー →有限
「後天(こうてん)の精」 主に飲食物から補う          →無限

先天の精は生後徐々に減少傾向にあるので、そのバックアップをつかさどる後天の精の補充をどのようにするかが大事になってきます。

後天の精の根本となる飲食が取れなくても問題ではありますが、今回のテーマである「睡眠」がここで大きくかかわってくるわけです、睡眠は皆さん4-8時間とるわけですから、一日の1/6~1/4に関わってくるわけです。その部分を損なうと先天の精のフォローができず各種の症状が出てきます。

さて、睡眠不足から腎虚(腎の精気=腎精 腎精が少なくなるの意味)につながり、腎精からは髄が生じます。髄とは骨髄・脊髄・脳髄を指します。腎精は骨や脳と深いつながりがあり、骨は髄によって養われ、髄が海のように溢れたものを脳といい、脳の別名を髄海(ずいかい)といいます。

髄海が少なくなると基本病症として脳に近いエピソードの問題が顕著となり耳の聞こえづらさや歯が欠けたり、抜け毛が増えたり、骨が折れやすい・ものわすれが激しくなるといった状況になり身体活動の運動・認知機能に関わる要素に大きく波及してきます。

そのためベースとなる睡眠は脳卒中や運動機能障害両方ともに問診の際にかなり重要になってきます。最近リハビリではリハビリ栄養がクローズアップされています。それと同時に後天の精に関わる睡眠もとりやすいようにすれば体の状況は大きく変わると思っておりますので、ぜひこの機会に中途覚醒があったり、睡眠不足と感じたのであれば、上記の経穴を刺激してみてはいかがでしょうか?