以前にお話ししたこともあるかもしれませんが、リハビリテーションと鍼治療の親和性がどれほどあるのか?

ということで、脳卒中以外にも運動器に対しての論文がありました(TKA手術)

あくまでも鍼自体は物理療法の一環であり、運動やリハビリを併用することがあくまでも改善するための必要手段としての前提として行うことが望ましいという論文でございます。

そのため基本的には私も理学療法士のはしくれとして、疾患をベースにして評価したうえで必要な運動をすることが改善の大きな一歩であることであると思っています。

前置きは長くなりましたが、「当施設では利用者様、病院であれば患者様」が能動的に動きやすくするために必要なものを提供することが介入側の目的であると思っています。

急性期のTKAの術後の論文ですが、以下の鍼灸に関する論文がありましたので自己学習のために読んでみたところで面白い論文がありましたのでブログに乗せてみました。

人工膝関節全置換術後のリハビリテーションのための鍼治療:ランダム化比較試験の系統的レビューとメタアナリシス

目的:この研究は、TKA後のリハビリテーションに対する鍼治療の効果を調査することを目的としています。

方法:PubMed、Embase、CINAHL、China National Knowledge Infrastructure(CNKI)のデータベース検索を実施して、2020年8月までに公開された記事を取得しました。特定されたすべての記事をスクリーニングし、含まれる各研究のデータを2人の研究者が個別に抽出しました。 メタアナリシスは、TKA後の痛み、膝の動きの範囲、機能、および悪心/嘔吐に対する鍼治療の効果を調べるために実施されました。

結果:このレビューの包含基準と除外基準に従って、合計9件のランダム化臨床試験が含まれました。通常の治療と比較して、通常の治療と組み合わせた鍼治療は、TKA後の術後8、12、24、および48時間で有意に大きな痛みの軽減を示しました。一方、鍼治療群は、手術後の対照群と比較して、有意な機能改善と悪心/嘔吐の割合が低いことを示しました。しかし、鍼治療群は、4時間、7日、14日、および21日以上で術後疼痛の統計的に有意な改善を示さず、手術後の鍼治療群と対照群の間で膝の動きの範囲に有意差は観察されませんでした。 。

結論:TKA後の補足治療としての鍼治療、機能を改善し、吐き気/嘔吐を減らすことができます。しかし、痛みの緩和に対する鍼治療の効果は、主に術後48時間以内に達成される可能性があり、膝の動きの範囲を改善する効果はありませんでした。より大規模で質の高い研究が必要です。

最終的な結論からは疼痛、気分不快にアプローチするものであったため、TKAの運動性に関わるものではなかったのが残念です。

急性期であれば鍼を打つことで緩和的に術後の後遺症を軽減することができるようなので、非常に面白い論文ですね。

鍼に対しての科学的な論文が増えてきているのが非常に多く楽しみであります。