太さによる筋筋膜性疼痛の論文がありましたので、こちらでまた気になったためブログで挙げさせてもらいました。

鍼の太さに関しては学生時代に鍼通電させる際に3番鍼以上を使用することがよく言われてましたが、今回は効果測定に影響する論文です!

American Journal of Physical Medicine&Rehabilitation 2016 Jul; 95(7):483-494

慢性腰部筋筋膜性疼痛症候群の長期ドライニードリング治療に対する針径の影響

目的:慢性腰部筋筋膜性疼痛症候群のドライニードリング治療の効果に対する針の直径の影響を調査すること。デザイン:慢性腰部筋筋膜性疼痛症候群の48人の患者がランダムに3つのグループに割り当てられました。彼らは、直径0.25(グループA)、0.5(グループB)、および0.9 mm(グループC)の針でドライニードリングを受けました。視覚的アナログ尺度評価と健康調査は、ベースライン時と治療後3か月に実施されました。

結果:視覚的アナログ尺度スコアは、ベースラインから3か月まですべてのグループで有意に異なっていました。3ヶ月での視覚的アナログ尺度スコアは、グループCと他の2つのグループの間に違いを示しました。3つのグループのそれぞれでベースラインと治療後3か月(0日と3か月)を比較すると、グループCとグループBの間に違いがありました。ベースラインから3か月までのShortForm 36 Health Surveyスコアは、治療群内で異なっていました。

結論:3か月での視覚的アナログ尺度スコア評価は、すべてのグループで有効性を示しました。3ヶ月の結果は、大きな鍼(直径0.9mm)での治療の有効性が小さな針(直径0.5mm)のそれよりも優れていることを示しました。

基本的に鍼の太さで治療効果については違いがあるというデータでしたが、確かに3番鍼と5番鍼では響き方も大きく異なることが多く、問題のある筋の状況によっては鍼径が細いと鍼先が曲がってしまいます。(単純私の治療技術問題が・・・)

特に腰部の筋自体は表層部と深層部で分厚い筋・筋膜で構成されておりますし、椎間関節の刺激をする際はやはり3番鍼だと椎間関節包の刺激が非常に難しい(鍼先部、鍼体)が曲がってアプローチをするのが困難です。

また多裂筋自体は連なり、個々は短い筋の為、腰部の安定性には非常に大きな作用を持ちますが、運動性が少ない方や不良姿勢が長い時間続いている方等など、ストレスがかかりやすい筋でありますので、硬くなりやすい筋です。

そのため細い針だと曲がってしまう可能性があったため、こういった論文があることで、細い鍼に比べて、太い鍼の効果が大きいことや、刺入しやすさなどを考えると非常に有用な論文であるかなと個人的に思います!

こういったアウトカムが少しづつ日本でも評価できるようになっていければすごくいいと思っております!