肩関節疾患で肩甲下筋・前鋸筋は肩関節周囲炎・呼吸器疾患にてアプローチする機会がたくさんあり、さらに間口を広げると腰部疾患・膝関節疾患でもアプローチをすることも割と多い筋肉になります。

不良姿勢が散見される場合は私は肩甲下筋(下図➄)と前鋸筋(下図⑫)、他広背筋の鍼をよく使います。

呼吸器・肩関節疾患では肩甲骨の位置がおおむね外側に開いてきてくる状態であり、その状況で筋肉が短縮(固くなるような状態)して肩関節疾患であれば上腕が上がりにくくなる状態になりやすく、呼吸器疾患であれば息が吸いにくい状況になることが多いです。

このブログを見ている方も思いっきり猫背の状況でバンザイや息を吸ってみてください、おそらくバンザイは良くて手が見える位置に来るでしょうし、息は吸いにくいはずです。

長期間その姿勢が続くことで肩甲下筋や前鋸筋の筋肉が短縮し、固くなることで動きにくくなります。

その短縮した筋肉はもちろん徒手で伸張することもできますし、鍼が打てる方であれば鍼を刺入すると響き(鍼を打った際の独特な反応)は強いですが、かなり肩関節の挙上や呼吸は楽になる場合が多い筋肉ではあります。

鍼も重要ではありますが、基本的にはその後の実施した筋肉のストレッチや運動を行う、姿勢をある程度意識できるように配慮していくことが重要ですね。鍼も運動療法もどちらも重要なのですが、運動することをベースに考えていかないと大きく体を変えることは難しいと思います。(以前お話しした継続性の原則にもありますね)

重要なのは継続させることなのですが、私の持論で自主トレーニングはたくさんやればいいわけではなく、その人に合わせた内容の運動を中心に1-2種目までをやるようにしていくことが大事だと思います。

ちなみに服薬の量が多ければ多いほど飲み忘れてしまうことが多いのと同じで、運動療法もたくさんあればあるほどやりたくなくなります。

5-6種目をやるように指導する方ももちろんいてそれが悪いことだとは思いませんが、そもそも5-6種目を継続してやる方はあまり見たことがありません。(実施できればそれでよいですが)まず1-2種目を継続できることを目指しましょう!